坐骨神経痛とブロック注射・外科手術

坐骨神経痛とブロック注射

ブロック注射とは、患部に局所麻酔薬やステロイド薬などを注射して、脳に伝わる痛みをブロック(遮断)する方法です。
坐骨神経痛でも、鎮痛剤の服用や理学療法による効果が思うように得られない患者に対して採用され、一定の効果が認められてます。
使用する薬剤成分によって、圧迫を受けている坐骨神経周辺の筋肉を和らげる効果や、炎症を抑える効果も期待できます。

 

また、血流促進効果によって、痛みやしびれの根本的な治療にもつながるとされています。
ブロック注射には、「硬膜外ブロック」と「神経根ブロック」の二つの方法があります。
硬膜外ブロックでは、神経を覆っている硬膜の外側にある硬膜外腔に薬剤を注射します。

 

多くの整形外科外来では、最も安全性が高いとされる仙骨部硬膜外へのブロック注射が行われています。
硬膜外ブロックの場合、薬剤が患部にうまく到達せず、期待どおりの効果が得られないこともあります。

 

神経根ブロック(選択的神経根ブロック)
椎間板ヘルニアおよび脊柱管狭窄症による坐骨神経痛に対して、最も即効性のあるブロック注射です。
ブロック注射を行った直後に痛みが消滅し、その後数か月間にわたって効果が持続します。
その間に、椎間板ヘルニアあるいは脊柱管狭窄症そのものの治療が進めば、坐骨神経痛からの解放が期待できます。

 

ただし、神経根ブロック注射は、脊髄近辺の神経根に直接注射するため、非常に強い注射痛を伴います。
また、神経根損傷のリスクも伴うため、繰り返し行うことはできません。
神経根ブロック注射を行うかどうかの決断に際しては、医師と患者が十分に相談する必要があります。

 

 

坐骨神経痛と外科手術
坐骨神経痛の治療では、その原因となっている椎間板ヘルニアあるいは脊柱管狭窄症に対する手術が必要となる場合もあります。
椎間板ヘルニアの手術は、直視または内視鏡によって、ヘルニア(椎間板の突出部)の切除を行います。
最近では、レーザー照射を用いる手術(PLDD)の技術が高まり、注目を集めています。

 

これは、レーザー照射によって椎間板内にある髄核を蒸散させて空洞を作る方法で、椎間板の内圧を下げることができます。
そのため、椎間板ヘルニアが坐骨神経に及ぼしていた刺激や圧迫がなくなり、坐骨神経痛も解消します。
メスは使用せず、レーザーファイバーが差し込まれた針を刺して行うため、施術自体は10〜20分で済み、入院の必要もありません。

 

ただ、日本ではまだ保険が適用されず、30〜60万円の費用のすべてが自費負担となります。
脊柱管狭窄症の手術には、椎弓切除術、開窓術、脊椎固定術という方法があります。
椎弓切除術は、狭くなった脊柱管を広げるために脊柱管を囲っている椎弓を、広範囲にわたって切除します。

 

開窓術は、神経を圧迫している椎弓、椎間関節の内側、靭帯を部分的に切除します。
脊椎固定術は、椎骨のすべりが原因となっている場合に選択される方法です。
椎骨がずれている部分に、患者自身の骨または人工骨、金属などを当てて固定します。

 

椎間板ヘルニアでも脊柱管狭窄症でも、手術の効果はかなり確実で、ほとんどの場合は坐骨神経痛は全面的に解消されます。
けれども、坐骨神経痛の再発や慢性的な腰痛を防ぐためには、栄養の偏りや運動不足を改善して、手術前以上に体調を整えることが大切です。