坐骨神経痛の診断と治療・予防法

坐骨神経痛の診断と治療

腰の痛みや下肢のしびれで病院へ行くと、さまざまな検査を受けて、慎重な診察を受けることになります。
特に、坐骨神経痛が疑われる場合には、原因となる病気を特定することが治療のポイントとなるため、細かい問診にも丁寧に答えるようにしましょう。

 

診察では、坐骨神経の障害と椎間板ヘルニアの確認のために、「ラセーグテスト」とよばれるチェックが行われます。
これは、横になってひざを伸ばした状態で医師が脚を持ち上げて行う診察で、どれくらいの角度まで上がるか診たり、上がる角度によって出る痛みの場所や強度を診ます。
診察の前後に受ける検査項目には、次のようなものがあります。
・脊椎のレントゲン検査…脊椎の変化・変形をチェックします。
必要に応じて、CTやMRIによる画像診断が行われることもあります。

 

・筋電図・末梢神経伝達度測定…末梢神経の伝達機能をチェックします。
・血液検査・尿検査…糖尿病などの病気の有無をチェックします。
・RI検査(シンチグラフィ)…腫瘍による坐骨神経痛が疑われる場合には、アイソトープを用いた検査が行われることがあります。

 

・骨密度検査…骨粗しょう症であるかどうかをチェックします。
坐骨神経痛では、次の治療が柱となります。
・薬物療法…鎮痛剤、抗炎症剤、消炎剤などを処方して、痛みとしびれの緩和をはかります。

 

・神経ブロック…薬の服用で痛みとしびれが治まらない場合に行われます。
・温熱療法…筋肉や骨、腫瘍によって坐骨神経が圧迫されて坐骨神経痛が起こっていると考えられる場合には、筋肉をほぐして血行を改善する目的で温熱療法が行われます。

 

 

坐骨神経痛の予防法

腰は、人体の骨格上で最大の弱点といわれ、日常の生活でも常に負担がかかっています。
運動や仕事で腰を使う人の場合は、その負担とともに疲労の蓄積も心配されます。
また、妊娠・出産、更年期のホルモンのアンバランスや、加齢による身体機能の低下も、腰に影響を及ぼして坐骨神経痛の原因にもなっています。

 

坐骨神経痛をはじめ、ぎっくり腰や慢性的な腰痛を防ぐには、二つの大きなポイントがあります。
一つは、腰にかかる負担に負けない骨や筋肉を維持することです。
もう一つは、全身の筋肉をバランスよく使うことです。

 

現代人は、交通の発達や家電製品による家事負担の軽減などによって、昔の人に比べて体を動かすことが大幅に減少しています。
なかにはほとんど使われていない筋肉もあり、各部位にかかる負担の分散もうまくできなくなっています。
ぎっくり腰や坐骨神経痛になる人が増加傾向にあるのも、こうしたことが原因と考えられています。

 

そこで、自分の生活で使っている筋肉と使っていない筋肉を、あらためて確認してみましょう。
学生時代にしていたスポーツや、子どもがまだ小さかった頃の動作などを思い出して、現在の生活と比べてみるとわかりやすいかもしれません。
足りない動きがわかったら、まずは家事の動きで補うのがおすすめです。

 

例えば窓や床の拭き掃除をすると、全身の筋肉維持にぴったりの動きができます。
さらに足りない部分は、ラジオ体操やウォーキング、ストレッチなど、身近な運動で補うとよいでしょう。
もしも専門の指導を受けるチャンスがあれば、深層筋肉を鍛える運動(インナーマッスル)をマスターするのもおすすめです。