急性期と慢性期の坐骨神経痛

急性期の坐骨神経痛

坐骨神経痛には、その主要原因である椎間板ヘルニアの発症などに伴う初期段階での急性症状と、原因となる各疾患がある程度落ち着いてからも長く続く慢性症状があります。
急性期には、原因そのものに炎症の存在があるため、まずは安静にして炎症を鎮めることが大切です。

 

具体的な方法としては、ぎっくり腰の炎症を鎮めるのとと同様に、温めるのではなく冷却することによって皮膚や筋肉が帯びる熱を取り去るのが有効です。
そして、炎症範囲を広げないためには、きちんと安静をとることが必要です。
もう大丈夫だからと考えて仕事や家事を気にして体を動かしてしまうと、せっかくの鎮静効果が逆戻りして、症状を悪化させてしまいます。

 

症状の悪化は、そのまま坐骨神経への影響を増大させることにつながり、坐骨神経痛の痛みやしびれが強まる原因となります。
急性期でのもう一つの注意は、自覚症状を正しく把握することです。
多くの人は、痛みやしびれを感じても、病気に結び付けたくない気持ちが自然に働いて、自分の体の不調をがまんしてしまう性質を持っています。

 

いちいち大げさに騒ぎ立てるのはよくありませんが、あまりに軽く見るのもよくありません。
単なる疲れとは違う痛みやしびれを感じたら、早めに病院へ行くようにしましょう。

 

特に、腰から臀部の奥にかけての痛みや、太ももの裏側から膝にかけて走るようなしびれは要注意です。
診察の結果、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症でも、初期ならば治療の選択肢が広がり、坐骨神経痛の発症も防ぐことができます。

 

 

慢性期の坐骨神経痛

原因となる椎間板ヘルニアなどの病状がある程度安定するとともに、坐骨神経痛も慢性期に入ります。
慢性期の坐骨神経痛の場合、自覚症状も重い軽いだけでなく、さまざまな変化がみられます。
特に多いのは、次のような自覚症状です。

 

・痛みやしびれを感じる部位と時間が限定されてくる。
・腰から脚にかけてビリビリと走るしびれではなく、鈍痛を伴うしびれを感じる。
・午前中は比較的症状が軽いことが多く、昼食を済ませた頃から痛みとしびれが出て、夕方から夜にかけてひどくなる。
・左右で差が大きかった症状の場合、その差がなくなってくる。

 

こういった症状の変化は、椎間板や脊柱管が、あまり良くない状態とはいえそれなりに落ち着いたことによると考えられます。
そのため、症状が多少軽減されたからといって、無理をするのは禁物です。

 

坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫されて起こる症状だということを思い出して、引き続き腰にかかる負担には気をつけましょう。
また、腰の筋肉を健康にするためのケアを続けることも大切です。
日常生活でのポイントとしては、次のようなことに注意するとよいでしょう。

 

・同じ姿勢を続けない。
・立ち仕事や外出時には意識して休憩をとる。
・短時間のウォーキングや軽いストレッチを毎日続ける。
・筋肉や骨に必要な栄養摂取を怠らない。

 

ちょっとしたことでも途切れることなく続けることが、坐骨神経痛に対抗する体づくりに役立ちます。
なお、自己流のマッサージやストレッチが、治療の弊害になってしまう心配もあります。
慢性期の症状改善対策も、病院の医師や接骨医の指導を受けて行うと安心です。